●演目の内容
8月2日(金)〜 4日(日) 新作歌舞伎 「新八犬伝」
8月2日から4日にかけては、梅田のシアター・ドラマシティ制作の新作歌舞伎が「楽劇の祭典」に参加上演する。片岡愛之助と上方歌舞伎でも活躍している若者たちが、「平成若衆歌舞伎」と名乗り、シアター・ドラマシティに初登場する。演目は今回のために滝沢馬琴の名作をもとに書き下ろされた「新八犬伝」である。
この世をわがものにしようとたくらむ魔界の王崇徳院は妖術をつかって、管領扇谷定正に乗り移り、将軍家の忠臣の子伏姫と義成を不義の仲に誘って、彼らを犬畜生の姿におとしめる。伏姫は変わり果てた自分の姿を嘆き、懐剣を胸に突き刺して自害したところ、流れ出る血は仁義礼智忠信孝悌の文字をもった八つの数珠の玉となる。それらは伏姫に代わって、この世に生を受けた八犬士の玉。それらは、この乱世を鎮めることを誓って四方に飛び散り、やがて八犬士のひとり犬塚信乃は、魔界の王の化身である扇谷定正に立ち向かっていくこととなる・・、これがストーリーのあらましである。
10日(土)・ 11日(日) 歌舞伎公演 「夏祭浪花鑑」
「楽劇の祭典」のフィナーレは、岸和田市の浪切ホールで開催される歌舞伎公演である。
上方歌舞伎に縁の深い若手俳優が中心となる浪花歌舞伎の公演「今様晒三番叟」では片岡孝太郎が華やかに舞う。一方、大阪の夏、だんじり囃子の中、本水・本泥にまみれ舅殺しが行われる「夏祭浪花鑑」。中村翫雀扮する団七が、なぜ舅を殺さなければならなかったのか? 片岡孝太郎の女房お梶、片岡愛之助の一寸徳兵衛といった、団七を取り囲む人間模様が見所たっぷりに描かれる。
平成17年、成駒屋、四代目中村鴈治郎を襲名する五代目中村翫雀が一座の座頭として、本水・本泥の中、大見得を切り、赤い下帯に入れ墨の裸身が美しい団七と色気と侠気を併せ持つお辰の二役をこなします。強欲な舅を泥まみれになりながら殺す“長町裏”が見せ場です。また、名門松島屋、片岡仁左衛門の長男片岡孝太郎が舞い、更に涼しげなマスクと切れる芸裁きで人気の片岡愛之助、上方歌舞伎界で独自の女形を表現する上村吉弥、その他、上方歌舞伎塾卒業生等次代の上方歌舞伎を担う若手が浪切ホールで真夏の祝祭を繰り広げます。 祭囃子の中、上方若手歌舞伎役者演ずる人間模様に乞うご期待!
【あらすじ】堺の魚売り団七九郎兵衛は、大鳥佐賀右衛門の家来と喧嘩して傷を負わせ、牢に入れられますが、玉島兵太夫の計らいで出牢を許されます。玉島家の若殿磯之丞は遊女琴浦となじみを重ね。勘当を言いわたされて、今では団七の世話になっています。その琴浦に、かねてより佐賀右衛門が横恋慕して執心し、その後ろ盾に一寸徳兵衛という侠客がついています。団七は徳兵衛と対立しますが、やがて徳兵衛も玉島家に恩を受けていることがわかり、二人は和解して義兄弟の誓いを結びます。
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