8月1日に始まる本年度「楽劇の祭典」は、そのオープニング公演を京都リーガロイヤルホテルにおいて開催する。オープニング公演は二部からなり、第一部は講演会、第二部はパーティー形式での「楽劇の祭典」プレビューを予定している。
第一部講演会の講師には国際日本文化研究センターの山折哲雄所長を迎えて、日本の伝統文化の現代的意義をはば広い観点でお話していただく。第二部のレセプションでは、人間国宝常磐津一巴太夫による素浄瑠璃で常磐津「乗合船恵方万歳」を上演したのちに、本年度「楽劇の祭典」各公演の制作趣旨と内容紹介を行う。
【曲目解説】 「乗合船恵方万歳(のりあいぶねえほうまんざい)」
通称「乗合船」。初演は1843(天保14)年正月江戸市村座「祭礼歌曽我花車當(きおいうたそがのはなだし)」の二番目大切「魁香樹いせ物語(かしらがきいせものがたり)」。初演時は常磐津・富本・長唄・竹本の掛合だったが、のちに常磐津のみの所作事として改曲し外題も現在の名称に改題された。作詞三世桜田治助、作曲五世岸沢式佐、富田音蔵、三世杵屋勝五郎。隅田川の渡し船を宝船に見立て、乗り合わせた白酒売、巫女、大工、俳諧師、渡守、才蔵、万歳を七福神に見立てた初春の隅田川付近の洒脱風雅な曲。
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