その他

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オープニング

8月1日(木)18:00 京都リーガロイヤルホテル

御挨拶 名誉会長 河合隼雄
第一部 講演  国際日本文化研究センター所長 山折哲雄
第二部 レセプション
 常磐津「乗合船恵方万歳」 人間国宝 常磐津一巴太夫他
 本年度「楽劇の祭典」公演プレビュー・ディナーパーティー


主催:関西楽劇フェスティバル協議会

入場券:6000円(前売り券5000円)

 8月1日に始まる本年度「楽劇の祭典」は、そのオープニング公演を京都リーガロイヤルホテルにおいて開催する。オープニング公演は二部からなり、第一部は講演会、第二部はパーティー形式での「楽劇の祭典」プレビューを予定している。
 第一部講演会の講師には国際日本文化研究センターの山折哲雄所長を迎えて、日本の伝統文化の現代的意義をはば広い観点でお話していただく。第二部のレセプションでは、人間国宝常磐津一巴太夫による素浄瑠璃で常磐津「乗合船恵方万歳」を上演したのちに、本年度「楽劇の祭典」各公演の制作趣旨と内容紹介を行う。
  
【曲目解説】 「乗合船恵方万歳(のりあいぶねえほうまんざい)」
通称「乗合船」。初演は1843(天保14)年正月江戸市村座「祭礼歌曽我花車當(きおいうたそがのはなだし)」の二番目大切「魁香樹いせ物語(かしらがきいせものがたり)」。初演時は常磐津・富本・長唄・竹本の掛合だったが、のちに常磐津のみの所作事として改曲し外題も現在の名称に改題された。作詞三世桜田治助、作曲五世岸沢式佐、富田音蔵、三世杵屋勝五郎。隅田川の渡し船を宝船に見立て、乗り合わせた白酒売、巫女、大工、俳諧師、渡守、才蔵、万歳を七福神に見立てた初春の隅田川付近の洒脱風雅な曲。




伝統芸能版のクリエイターズ・ミーティング

8月4日(日19:00
10日(土)19:00
京都芸術センター
参加者:鶴岡大歩(演出家)、片山伸吾(能役者)、河村大(囃方・大鼓) 他
公開ミーティング 4日(日)19:00
試演会 10日(土)19:00

主催:関西楽劇フェスティバル協議会・京都芸術センター
企画・制作:京都芸術センター

入場券:無料

  京都芸術センターでは、芸術家が相互に刺激しあい、それぞれのジャンルの境界を越えた新たな創作活動を支援している。この「楽劇の祭典」においては、京都芸術センターの、伝統芸能を紹介するシリーズ「継ぐこと・伝えること」(平成14年度は「まふ・おどる」をテーマに京舞や歌舞伎舞踊を取り上げる。)の番外編として、能の舞を中心に他ジャンルとの交流、あるいは創作を試みる。制作のプロセスは次のとおりである。
○公開ミーティング            8月4日(日) @講堂
 これは、共同制作参加者と関係者によるミーティングで、観客である一般市民からの意見、ニーズを取り入れながら、共同制作の目的や目標を明らかにする。
○共同制作(ワーキング)<一部公開>   8月5日(月)−9日(金)@講堂
 これは専門家たちによる作業プロセスであり、舞台製作や演出まで、参加者同士の交流によって制作をすすめる。
○試演会(プレゼンテーション)       8月10日(土)@講堂




三味線音楽の魅力−落語「らくだ」による創作清元舞踊−

8月5日(月)19:00 西宮市プレラホール

創作舞踊劇味遊辞歌瑠「らくだ」(落語「らくだ」より)
第1部 
 *上演/ 清元「流星」        清元延柳
 トーク/「日本人の生活文化に息づいていた邦楽」 
                       林家染丸・河内厚郎
 *上演/ 落語「稽古屋」       林家染丸
第2部
 *上演/味遊辞歌瑠(みゅーじかる)「らくだ」(落語「らくだ」より)
       立方、花柳瞠一・花柳寛十郎   三味線、清元 延柳


主催:兵庫県、(財)兵庫県芸術文化協会、西宮市、(財)西宮市文化振興財団
共催:関西楽劇フェスティバル協議会

入場券:2800円(前売り券2400円)

 清元は江戸の浄瑠璃だが、その源流は上方の音曲である豊後節にある。関西を拠点に幅広く活動する清元延柳師を中心にすえ、ポピュラーな清元の名曲と、新しい試みの創作舞踊・味遊辞歌瑠「らくだ」(上方落語の代表的演目「らくだ」を清元の音楽により舞踊曲として作詞・作曲)を上演する。邦楽に詳しい林家染丸師(上方落語協会副会長)による解説や楽しいトークも交えて、町衆の中に生活文化に息づいていた三味線音楽の魅力を探る。
 
「らくだ」解説
 らくだが河豚にあたって死ぬ。兄弟分の熊五郎は葬式を出してやろうと思い、ちょうどやってきた紙屑屋にいろいろと用事を言いつける。長屋の大家に香典代わりに酒と煮しめを要求するが断られるとらくだを連れて大家の家に行き、死人のかんかんのうを見せ、酒を手に入れる。気弱な紙屑屋は酒を飲むうち酔って形勢逆転、熊五郎をあごで使う。二人は泥酔しながらもらくだを棺桶代わりの漬け
物樽に入れて火屋まで連れていくが、途中で底が抜けてらくだを落としてきてしまう。気が付いた二人はあわてて拾いに行き、道に寝ていた酔っぱらいをらくだと思い、火屋に連れていく。酔っぱらいは火屋で気付き、「ここはどこや」と聞くと火屋だと言われ、「冷やでもいいからもういっぱい持ってこい」というオチ。




シンポジウム

8月7日(火)13:00
国立文楽劇場小ホール

「東西・楽劇の出会い」

バネリスト: 権藤芳一、佐伯順子、松井朔子、山下徹
司会・河内厚郎

主催:関西楽劇フェスティバル協議会

入場券:無料(参加希望の方は協議会事務局まで葉書ないしFAXでお申し込みください)

 「楽劇」とは一般にワーグナーの創始したオペラの形式をさすようですが、明治時代、坪内逍遥が『新楽劇論』を著しました。
 能や歌舞伎、文楽(人形浄瑠璃)など日本の伝統芸能の多くは、演劇・音楽・舞踏などの諸要素が分かちがたく接合した総合芸術であり、それらは楽劇と呼んでいいのかもしれません。歌舞伎や文楽が日本の楽劇として完成する18世紀に、西洋のオペラも成熟しました。近世日本の国民劇といってもよい『仮名手本忠臣蔵』の基となる赤穂事件がおこったのは、歌舞伎・浄瑠璃作者の近松門左衛門が活躍した時代であり、西洋でバロック音楽が栄えた時代でもあります。もちろん歌舞伎とオペラに多くの相違点があることはいうまでもありませんが、共通する部分もあります。 20世紀には能や歌舞伎が西洋に紹介されて彼らの芸術観に刺激を与え、日本の古典劇にも西洋の芸術の影響がありました。アイルランドの詩人・劇作家のイエーツは、みずからの劇に能の形式を取り入れることで、死後も消えない人間の情念や悔恨、人間の業の深さを浮き彫りにしました。また、互いに翻案の試みもさまざまに行なわれてきました。イギリスの作曲家ブリテンの『カーリュー・リバー』は能の『隅田川』をオペラ化したもので、それが逆輸入の形で日本に入ってきて現代能として上演されたこともあります。
 古くから内外の音楽の交流の場となって、多くの楽劇をうみだしてきた関西の風土をふまえつつ「東西楽劇の交流」をテーマに討論します。
【出演者一覧】
権藤 芳一   演劇評論家
佐伯 順子   同志社大学教授
松井 朔子   シドニー大学日本・コリア研究科名誉研究員
山下 徹    演劇プロデューサー
司会、河内 厚郎   演劇評論家・「関西文学」編集長・夙川学院短期大学教授




古典楽劇映画会    映画の中の歌舞伎−上方和事と江戸荒事

8月8日(木)〜11日(日)13:30/17:00 京都府京都文化博物館

8月8日(木)、10日(土) 各日1:30pm〜、5:00pm〜の2回上映
 『浪花の恋の物語』(「冥途の飛脚」より)
 1959年東映作品/監督:内田吐夢/ 出演:中村錦之助、有馬稲子、片岡千恵蔵

8月9日(金)、11日(日) 各日1:30pm〜、5:00pm〜の2回上映
 『虎の尾を踏む男達』(「勧進帳」より)
 1945年東宝作品/監督:黒澤明/ 出演:大河内伝次郎、榎本健一、藤田進


主催:京都府京都文化博物館
共催:関西楽劇フェスティバル協議会

入場券:一般500円(博物館でお求めになれます)

 8日(木)から11日(日)にかけての4日間は、京都文化博物館において古典楽劇に関する映画が上映される。




上方の舞〜盛夏の舞競べ〜

8月9日(金)18:30 難波・ワッハ上方5階ホール

地唄「からくり的」 立方:山村若有子、地方:竹内駒香社中
口上「舞踊の美とこころ」福井栄一
地唄「珠取海士」 立方:吉村桂充、地方:竹内駒香社中
長唄「供奴」 立方:花柳寛十郎、
          地方:杵屋勝寿治連中・望月太明蔵社中
上方唄「ぐち」 立方:楳茂都梅咲弥、地方:竹内駒香社中

主催:関西楽劇フェスティバル協議会
制作:オフィス福井

入場券:4000円(全自由席)

 上方舞とは、大坂・京を中心とする上方で発達した舞踊。能や文楽など周辺芸能のエッセンスも摂取しながら、優美で繊細、内省的な芸質を育んできた。上方の地で永らく唄い継がれてきた地唄に合わせて舞われることが多いため、地唄舞とも言われる。
 今回の公演では、上方舞の実力派が流派の壁を越えて一堂に会するとともに、能や歌舞伎に縁が深く、関西楽劇フェスティバルに趣旨にもよく合致する曲目が選ばれている。
(1)地唄「からくり的」 立方:山村若有子、地方:竹内駒香社中
(2)地唄「珠取海士」 立方:吉村桂充、地方:竹内駒香社中
(3)長唄「供奴」 立方:花柳寛十郎、地方:杵屋勝寿治連中・望月太明蔵社中
(4)上方唄「ぐち」 立方:楳茂都梅咲弥、地方:竹内駒香社中
 これらの舞台公演に加え、上方文化評論家福井栄一氏による舞踊の魅力と美学とを解説する「口上、舞踊の美とこころ」がある。




新作オペラ 「谷行(Tanikoh)」

8月10日(土)18:30 奈良県新公会堂能楽ホール

「谷行」(Tanikoh) 
脚本・演出:石原昌和
作曲:川端政彦    指揮:石原喜久子
出演: 奈良オペラ座 金峯山寺青年僧の会(山伏) 

主催:関西楽劇フェスティバル協議会
制作:奈良オペラ座

入場券:5000円(前売り4500円)

 10日(土)は奈良県新公会堂の能楽ホールにおいて、新作オペラ「谷行」を上演する。
 「谷行」とは、山伏行者の習いで、山入りして病気などで歩行不能となった者は、生きながら谷底に投げ入れられて葬られることをいう。この物語では、いったん谷行の業を行ったものの、あまりの不憫さゆえに、山伏たち力をあわせて護摩を焚き祈祷を行ったところ役行者(えんのぎょうじゃ)が現れ、法力をもって谷行に処せられた人間を蘇生させたというストーリーである。
 能楽作品がオリジナルであるが、これはそれをオペラ化した作品である。山伏たちによって護摩を焚いて行われる壮大な祈祷のシーンが見所である。




【別公演】

7月3日(水)・4日(木)19:00 大阪・いずみホール・京都府民ホールアルティ

「狂言風 ドン・ジョヴァンニ」
脚本:前原和比古
出演:茂山宗彦、ブレーメン管楽ゾリステン

主催:関西ドイツ文化センター
共催:関西楽劇フェスティバル協議会
制作:ヴォイシング

入場券:6000円

7月3日(水)・4日(木) 狂言風 ドン・ジョヴァンニ」
 これはモーツァルトのオペラ『ドン・ジョバンニ』を、室内管楽演奏と狂言とで上演するコラボレーションの試みである(脚本・演出:前原和比古)。
 演奏するのはドイツのブレーメンに本拠をおくブレーメン管楽ゾリステンである。同楽団は1990年に設立され、これまで数多くの国際コンクールで優勝するとともに、古典派の管楽セレナーデや20世紀の作品をそのレパートリーとしてきた。
 今回の『ドン・ジョバンニ』は、トリーヴェンゼーによる編曲で、モーツァルトの時代に<ハルモニームジーク>と呼ばれていた、簡易で親しみやすい編成によるもので、今回は管楽器とコントラバスとの9名で演奏される。この演奏のうえに、大蔵流狂言師茂山宗彦が狂言の手法を用いて、オペラの場面を演じるという趣向である。

 




【展示】

8月1日(木)〜11日(日)11:00 上方浮世絵館

美術品展示「上方歌舞伎役者絵」

主催:上方浮世絵館
共催:関西楽劇フェスティバル協議会

入場券:500円

 本年度の「楽劇の祭典」についてはその一環として、舞台公演だけではなく、古典楽劇にゆかりの展示会も開催する予定でいる。すなわち、フェスティバル期間中、難波の上方浮世絵館において、上方歌舞伎の役者絵が特別展示される。あわせ御鑑賞いただければ幸いである。




 
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