保元物語 ―崇徳院怨霊譚―

日時　：　2016年8月17日(水)
昼の部　PM2:00
夜の部　PM6:00
2回公演

場所　：　京都府立府民ホール　アルティ [TEL:075-441-1414]
　　　　　　　　　　京都地下鉄　烏丸線「今出川」駅南出口より南へ徒歩5分

作・脚本　：　笠谷和比古／宮崎修多
能楽節付・型付　：　辰巳満次郎
管弦楽作曲　：　武内基朗
演出　：　Ｍ・フーブリヒト様式／辰巳満次郎
制作統括　：　関西楽劇フェスティバル協議会

出演

崇徳院（怨霊）

・・・

辰巳満次郎◎

西行法師

・・・

森常好◎

白河法皇

・・・

藤井雅之◎

鳥羽天皇

・・・

澤田宏司

白河法皇の寵童・頼長

・・・

辰巳和麿

関白藤原頼長

・・・

山内崇生◎

待賢門院

・・・

東川尚史

美福門院

・・・

小倉伸二郎◎

源為義

・・・

小倉伸二郎◎

源為朝

・・・

東川尚史

白拍子

・・・

石黒実都◎

他、宝生流能楽師
◎は重要無形文化財総合指定保持者

能楽囃子方　笛　／	杉新太朗
小鼓／	曽和鼓堂
大鼓／	谷口正壽
太鼓／	前川光範

＊管弦楽はコンピュータ製作・演奏

チケット　：　A席　7,000円　B席　5,000円　学生席　3,000円（全席指定）

～　予約・お問い合わせ　～

「エラート音楽事務所」
　　　　　TEL 075-751-0617
　　　　　FAX 075-751-1260
　　　　　E-mail erato@da3.so-net.ne.jp
「京都府立府民ホールアルティ」
　　　　　TEL 075-441-1414
「協議会事務局」
　　　　　TEL/FAX 06-6940-0731
「協議会京都制作部」
　　　　　TEL 075-802-3163
「インターネット販売／カンフェティ・チケットサービス」
　　　　　http://confetti-web.com/gakugeki
「電話予約」
　　　　　0120-240-540（平日 10:00-18:00)

主催　：　関西楽劇フェスティバル協議会

公演内容

　日本の１２世紀、保元の乱（院政の時代、皇位をめぐる争いに源平の武士が動員されて内乱に発展した事件）で敗れて四国松山の地に流された崇徳上皇が、度重なる帰京の歎願もむなしく却けられる中で、遂に生きながら天狗の姿となり、この世を破滅に導くとする呪いの言葉をはいて彼の地で没した。それから数年後、崇徳の墓を訪ねた西行法師の前に崇徳の怨霊は現れ出で、それより両者の間で壮絶な対決が繰り広げられる。
　これが崇徳院怨霊譚として世に知られるものですが、本作品では、全体を能の伝統的な様式で構成しながら、音楽面では西洋管弦楽との統合がなされ、表現面では崇徳の出生の秘密から保元の乱の悲劇にいたる展開の部分にオペラ的な表現法を導入します。保元の乱の合戦や御殿炎上のシーンなどに見られるオペラ特有のスペクタクルな舞台をどうぞお楽しみください。

＊公演の画像はこのコーナーの最後に掲載しています。

フーブリヒト先生　御経歴
Manfred Hubricht

　フーブリヒト先生は1930年ドイツドレスデンの生まれ。'55年、ハンブルグ大学哲学博士取得。同年から舞台監督として活動。ハンブルグ、フライブルグ、フランクフルト、その他フランス、ベルギー、イギリス、アメリカでも演出家として活動。ドイツ・バイロイトの祝祭歌劇場でもワーグナー楽劇の演出に携わる。'72年来日。岡山大学、京都大学でドイツ文学を担当。'81年、同志社大学客員教授。'84年、京都産業大学教授。2000年、定年退職にともない同大学名誉教授。
　関西楽劇フェスティバル協議会主催「楽劇の祭典」の活動には、2006年１月に大阪NHKホールで上演の現代版歌舞伎『豊後掾Bungonojo』の頃から御参画いただき、そののち新作能『六条』（京都府民ホール・アルティー）、楽劇『保元物語』（兵庫県立芸術文化センター・大ホール）などの数多くの作品の演出を手掛けて頂きました。特に、その独特の照明法を駆使した鮮やかにして、陰影の彫りの深い舞台表現は、従来の演劇空間の観念を一変するものがあり、フーブリヒト先生の業績とその遺産とは、掛け替えのない価値を有するものと言わねばならないでしょう。昨年（2015 年）10月17日に御逝去、享年85。

出演者・スタッフ　プロフィール

辰巳満次郎（たつみまんじろう）　／　シテ方宝生流能楽師

　1959年神戸生まれ。18代宗家宝生英雄、父辰巳孝に師事。1963年「国栖」天皇で初舞台。エジプトスフィンクス前、ニューヨーク国連広場、メトロポリタン美術館、メキシコ三文化広場、中国人民会堂、バリウヴド王宮、韓国国立民族博物館など、海外公演多数。また、シェークスピア「マクベス」、ミルトン「サムソン」ほか、能の伝統的な手法による新作の演出・主演も試み、本主催者による「楽劇の祭典」で源氏物語千年紀「六条」も舞う。繊細にして大胆、重厚な芸風で活躍する。東京芸術大学卒。重要無形文化財総合指定保持者。日本国文化庁文化交流使。大阪文化祭賞奨励賞受賞。「七宝会」「満次郎の会」主宰。

森常好（もりつねよし）　／　ワキ方宝生流能楽師

　1955年森茂好（人間国宝）の長男として生まれる。重要無形文化財総合指定保持者。1963年「岩船」ワキで初舞台。以後、数々の大きな舞台をこなす。父譲りの美声にファンは多い。流儀の中堅として活躍する。満次郎とアルゼンチン、チリ、中国公演に同行したほか、ヨーロッパを含む世界各地で公演する。1998年度芸術選奨文部大臣新人賞受賞。2014年、観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞。能楽伝承プロジェクト「花の会」主宰。

藤井雅之（ふじいまさゆき）　／　シテ方宝生流能楽師

　1954年生まれ。18代宗家宝生英雄、宝生流名門の波吉信和に師事。1975年初舞台。様々な大曲を披らく。重要無形文化財総合指定保持者。青山学院大学卒。雅やかな謡が特徴。海外公演多数、アメリカには定期的に指導に出かける。「波吉雅会」主宰。

山内崇生（やまうちたかお）　／　シテ方宝生流能楽師

　1967年生まれ。19代宗家宝生英照・辰巳孝門・辰巳満次郎に師事。1976年、「鞍馬天狗」花見にて初舞台を勤める。 1986年東京藝術大学音楽学部邦楽科に入学と同時に、宝生宗家の内弟子となる。同門会「崇寳会」を主宰する各地での演能活動、海外公演など精力的に活動する。重要無形文化財総合指定保持者。

杉　信太朗　(すぎ　しんたろう）　／　森田流笛方

　1986年生まれ。父・市和に師事。2007年、東京芸術大学・別科を修了。98年、舞囃子「胡蝶」で初舞台。翌年、初能　「花月」。その後、「翁」「鷺」「猩々乱」「石橋」「望月」「道成寺」などの大曲を披く。

曽和鼓堂　(そわ　こどう）　／　幸流小鼓方

　1973年生まれ。祖父・博朗、父・正博に師事。10歳のとき「小鍛治」で初舞台。95年に「翁頭取」「石橋」「乱」「道成寺」を披く。「心味の会」のほか、囃子の会「囃子堂」に参加し企画・構成を担当。

谷口正壽 (たにくぢ　まさとし）　／　石井流大鼓方

　1968年生まれ。石井流大鼓方宗家代理谷口正喜に師事。11歳のとき「百萬」で初舞台。以後「石橋」「道成寺」「卒都婆小町」等の大曲を披く。「心味の会」のほか、ギター、ダンス、披講と能のコラボレーション「樂」などに出演。また能と長唄による創作楽劇「倶利伽羅忠度」の脚本を書くなど能楽の新たな可能性を探る。海外公演にも参加。

前川光範　(まえかわ　みつのり）　／　金春流太鼓方

　1979年生まれ。祖父・光隆、父・光長及び先々代宗家・故金春惣右衛門に師事。1985年、囃子「鞍馬天狗」にて初舞台。1999年、「石橋」「猩々乱」「道成寺」を披く。京都能楽会、能楽協会京都支部に所属。

武内基朗　(たけのうち　もとあき）　／　作曲

　日本作編曲家協会会員。1990年、東京芸術大学音楽学部作曲科卒。北村昭、南弘明、佐藤真、川手誠の各氏に師事。在学中より作曲、編曲等の仕事を手がける。担当したゲーム音楽は多数、その他テレビ、イベント用の音楽など。自身のアルバムを5枚リリース。ここ数年は国際日本文化研究センターの伝統文化プロジェクトに於いて、能楽と西洋音楽を融合した作品を発表している。

笠谷和比古　(かさや　かずひこ）　／　脚本

　1949年生まれ。国際日本文化研究センター名誉教授。関西楽劇フェスティバル協議会代表幹事。国際文化芸術アカデミー会長。「楽劇の祭典」を2001年以来運営し、「復元・阿国歌舞伎」（京都四条河原）、現代版歌舞伎「豊後掾」(大阪NHKホール)、楽劇「保元物語」(兵庫芸文センター・大ホール)などを制作。著書に『伝統文化とグローバリゼーション』（NTT出版、2009年）他。

宮崎　修多　(みやざき　しゅうた）　／　脚本

　1959年生まれ。日本近世文学研究者。江戸～明治前期の文学の主軸であった漢詩文の表現を、その当代の思想や人物との関係で史的に考察している。論文のほか、新日本古典文学大系明治編『漢詩文集』『漢文小説集』（岩波書店）などの注釈がある。新作能への挑戦は初めて。成城大学文芸学部教授。



第一幕崇徳墓前	第一幕西行と樵との対話	第一幕崇徳怨霊の出現	第二幕第一場白河法皇と寵童頼長

第二幕第一場鳥羽天皇と中宮待賢門院の来駕	第二幕第一場祝宴の舞	第二幕第一場鳥羽天皇と中宮の還御	第二幕第一場密懐

第二幕第二場葵祭の場	第二幕第二場待賢門院の狂乱の舞	第二幕第三場保元の乱	第二幕第三場保元の乱、合戦の場

第二幕第三場保元の乱合戦の場	第二幕第三場保元の乱合戦の場	第二幕第三場保元の乱崇徳御所炎上	第二幕第三場保元の乱崇徳御所炎上

第三幕	第三幕崇徳怨霊と西行との対決	第三幕崇徳怨霊と木の間の月	第三幕終幕

過去公演は、下記のページをご覧ください。