京都国立博物館所蔵
『阿国歌舞伎図屏風』





[復元 阿国画像]
関西楽劇フェスティバル協議会制作



  「関西楽劇フェスティバル協議会では、本年八月に開催した「復元 阿国歌舞伎」の上演に際して、阿国画像の復元を試みたことについては既報のとおりです(本HPの「資料」コーナーに掲載する『読売新聞』2003年6月26日号記事を参照)。
  この阿国画像の復元は、日本データネット社の技術スタッフの協力のもと、京都国立博物館所蔵「『国歌舞伎図屏風』を原画としてこれにCGの技法を用いることによって実現しました。原画は作成年代が慶長末年までさかのぼるとされていて阿国画像としては最も信頼のおけるものなのですが、原画には少なからず劣化が見られ、特に阿国の顔面部分に破損、退色がいちじるしかったため、今回の復元にあたってはこの部分の補正につとめました。鼻の部分の欠落が問題となるのですが、これは残された鼻の画線の断片的な痕跡をひろって自然なラインで整えてみました。次に顔面のひたい部分を中心に認められた傷跡を除去し、赤味を帯びて退色していた顔面部分の色調を人間の自然な肌合いのものに移し替えてみました。その結果、これまでやや不気味な印象のあった阿国の顔面部分が、非常に自然で柔和な表情をもって立ち現れてきました。これが『阿国歌舞伎屏風』に描かれていた本来の阿国画像であったことでしょう。
  この復元された阿国画像については各方面から使用に関するニーズも高いことから、今回このホームページ上で公開することとしました。使用は御自由ですが、雑誌、グラビア等の掲載に際しては関西楽劇フェスティバル協議会の制作である旨を付記されますようお願いしたく思っています。なお、原画である『阿国歌舞伎図屏風』そのものの著作権は京都国立博物館に属しますので、これの無断利用は固くお断りいたします。
 
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